熱硬化性樹脂の混練技術
熱硬化性樹脂は、硬化すると堅くなって変形しなくなるプラスチックです。巨大分子鎖の熱硬化性の程度に応じて、高分子化合物を3つ(熱可塑性樹脂、エラストマー、熱硬化性樹脂)に分類したうちの1つです。熱可塑性樹脂は架橋する熱硬化点がなく、そのため可溶性ですが、一方、エラストマーと熱硬化性樹脂は熱によって硬化し、不溶性で、分解温度を超えると崩壊(熱分解)します。
20世紀初期に初めて工業的に製造された熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂の1つであるベークライトでした。ベークライトは、ベルギー系アメリカ人化学者レオ・ヘンドリック・ベークランドによって発明されました。
熱硬化性樹脂は、主原子価による化学結合で三次元的に架橋した、堅いガラス質の高分子材料です。この結合は、触媒があれば室温で、高温においては熱活性によって分子鎖同士が化学反応することで起こります。熱硬化性樹脂は、熱機械的強度が極めて高く、架橋密度の高さゆえに優れた電気的性質と、耐薬品性を示します。
典型的なアプリケーション
こうした特性により、各種の利用分野が広がっています。高強度の熱硬化性樹脂は、特に高負荷条件での耐熱性を利用して、例えば、自動車産業では、エンジンルームやドライブトレインの精巧な部品に使用されています。電気機器では、優れた絶縁性と良好な難燃性、非変形性を合わせ持つ特性は及ぶものがありません。数々のガスや液体に対する優れた耐性もまた、熱硬化性樹脂が食品や化学品産業で優先的に採用される理由となっています。
熱硬化性樹脂の混練条件
熱硬化性樹脂の生産は、プレポリマーを、ガラスまたはカーボン強化繊維、充填剤、あるいは天然繊維と混練することから始まります。その後、多くの場合、それぞれの反応を起こさせ最終製品にします。熱硬化性樹脂にとって添加剤を優しく注入することは、絶対的な温度制限を厳しく順守することと同程度に重要です。ブッス・ニーダーでは、調和的な動作原理により、またせん断ストロークごとに緩和ポイントが設けられており、問題なく扱うことができます。加工プロセス部の数か所に、熱電対を取り付けた中空の混練ピンが設置され、製品温度を正確に測定することで常に最適な加工温度を保つことができます。カスタマイズした材料設計の結果、熱硬化性樹脂材料の使用寿命が長くなることも珍しくありません。
ブッス・ニーダーの技術は、コスト効果の高い生産性、連続生産による数々の長所によって、熱硬化性樹脂の混練にまさに最適です。連続生産による利点として、優れた再現性のある確固とした製品品質、定評ある温度制御、理想的なプラント稼働率、高い生産高等があります。混練後の樹脂は、ロール状にし、粉砕します。フェール樹脂やメラミン樹脂等、熱間造粒される製品もあります。また他の加工法よりも高い生産性が得られます。
世界中の数多くのコンパウンド工場で既に導入されその能力を実証してきたブッス・ニーダーは、ブッスが保有する広範囲の加工知識も相まって、熱硬化性樹脂の連続混練装置として第一の選択肢になっています。

Typical plant layout for compounding Aminoplasts

Typical plant layout for compounding Epoxies

Typical plant layout for compounding Phenolics
