熱可塑性エラストマー(TPE)のための混練機
熱可塑性エラストマーは、エラストマーの性質と、再利用性と加工性というプラスチックの利点を併せ持つ材料で、TPEはゴムのように加硫する必要はなく、射出成形や押出成形、ブロー成形といった従来の方法で加工できます。
TPEは、熱可塑性樹脂同様に、加熱すると可塑性が生じ冷却すると再び弾性が戻ります。エラストマーにおけるこの挙動は化学的架橋によるものですが、TPEにおけるそれは物理的架橋により生じており、加熱によって生じた状態変化はいずれも可逆的です。材料を冷却すると、新しい架橋が生成し、弾性のあるブロックを結合させて堅い三次元網目構造を作ります。
これは、TPEがエラストマーに似た弾性特性を示しつつも、熱可塑性樹脂のように変形と回復の繰返しも可能であることを示しています。熱可塑性エラストマーはこのような自由流動性と、成形性を備えています。TPEは、両端に熱可塑性ブロック(A)、真ん中に弾性ブロック(B)があるブロック構造(A-B-A)を持ち、熱可塑性樹脂とエラストマーの中間に位置づけられます。ISO/EN/DIN 18064規格では、TPEの各種バリエーションはさらに7つ(TPA、TPC、TPO、TPS、TPU、TPV、TPZ)に分類されます。3番目の文字は下位クラスを示し、Aはアミド、Cはコポリエステル、Oはオレフィン、Sはスチレン、Uはウレタン、Vは加硫、Zはその他材料を意味します。