半導電性ケーブル・コンパウンド
半導電性ケーブル・コンパウンド
中圧(MV)および高圧(HV)ケーブルの絶縁体は、2つの同心半導体層の間に挟まれており、絶縁体中の電界が均質化されるようになっています。これらの層は一般に、半導体の性質を持たせるための、カーボンブラック、グラファイト、あるいはカーボンナノチューブといった半導電材料を高配合で含むEVA、EBA等のエチレン基ポリマーから成ります。
この半導体層による絶縁体への影響については当初は特に注目されませんでした。しかし、まもなく半導体中のイオンが層間の絶縁体にしみ込み、水トリーの形成につながることが発見されました。
ポリマーの化学成分と各添加剤を適切に調整することで、外部半導体層は絶縁体から容易に剥がすことができます。この性質はケーブル配線に有用である場合もあり、フランスや米国では規制上必要とされています。他国では、コスト的理由から、あるいは現在では優れた被覆剥がし工具が使用できることから、容易に剥がせる半導体層に対する要求・要件は緩和されつつあります。エチレンプロピレンゴム系コンパウンドにおいては、引き剥がしが難しいため容易に剥がせる半導体層はなお必要です。中圧、高圧ケーブル用高分子絶縁材料の開発と成長に伴い、生産量は上昇しています。