ゴム・コンパウンド/エラストマーのための混練技術
エラストマーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂に続く3番目に重要なプラスチックグループです。エラストマーは寸法安定性がよく、しかも弾性変形するプラスチックで、ガラス転移温度は室温以下です。引っ張り、引裂き、圧縮荷重によって変形しますが、変形前の元の形状に戻ります。
化学的には、数個の幅広い網目状の架橋だけで不可逆的に結合した高分子です。熱可塑性エラストマーとともに、この架橋は、加熱すると強化され、熱可塑性挙動を示すようになります(別ページの説明を参照ください)。所定の硬度、架橋密度、使用温度を有するエラストマーを製造するため改質剤が使用されます。
ゴム・コンパウンド/エラストマーの混練要件
グアテマラでの発掘により、3世紀には既にマヤ族は材料としてのゴムを知っていたことが分かっています。18世紀以来、より多くの用途が見いだされています。1839年のチャールス・グッドイヤーによる加硫方法の発明により、低温と高温のいずれでも安定した弾性特性が得られるようになり、これを機に工業利用が進みました。20世紀初め、ドイツの化学者が合成ゴムの製造に成功しました。
伝統的に、エラストマーは、内部回転型ミキサーあるいは回転ミルで製造されてきました。これら確立された製造法には、最大の柔軟性、最小配合割合でもオフラインでの正確な計量結果が得られることに加え、滞留と混合時間が可変という利点があります。しかし、「比エネルギーが高い」、「一時保管時間が必要」、「各バッチ間の特性変動」といった制約があり、連続加工の長所が改めて認識されます。連続加工には、通常、一様な加工条件、滞留時間変動の少なさ、連続した加工プロセス、製品品質の一貫性向上などの特長もあります。ブッス・ニーダーには、正確な温度制御機能以外にも利点があります。高配合の充填剤を優れた方法でかつ穏やかに混合でき、軟化剤オイルや配合剤といった液体成分を加工プロセス域の最適な場所に直接注入することができます。
シリコーンやフルオロエラストマー用に幅広くブッス・ニーダーが利用され、大きな成功を収めていることは数十年前から知られています。近年、他の幅広い利用分野が加わっています。連続した加工プロセス、要求される特性の拡大、代替材料成分の使用が大きな役割を果たしています。
この高水準なプロセスは、精巧な加工法により達成、実施されています。ブッスのテクニカルセンターでは、加工法の開発・最適化を行い、最初のスケールアップで生産性を10倍に高めることに成功しました。ブッス・ニーダーは、混練プロセスと昇圧プロセスがフランジにより直接的に結合および切り離しができるため、それぞれ個別に最適化することができます。エラストマーの場合、造粒等後加工のための昇圧は通常、フランジ取付けされる押出機で行います。ブッス・ニーダーのバレルは分割式のため、迅速に内部にアクセスできシステム稼働率が高まります。モジュラー化によって混練ラインを柔軟に配置可能にするブッス・ニーダーは、ブッスが保有する広範囲の加工知識も相まって、エラストマーを調合する装置として最高の選択肢となっています。
ゴム・コンパウンドのための典型的な混練工場内レイアウト
ブッスの混練システムには、以下のような優位点があります。
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COMPEO – ゴム・コンパウンドのための典型的な混練工場内レイアウト
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