過酸化物架橋性ケーブル・コンパウンド
ポリエチレン(PE)は圧倒的に優れた絶縁特性を備えています。しかし、投入量増加による一時的な温度上昇によりポリエチレン製ケーブルの絶縁性は完全に破壊されることがあります。軟化点または融点が比較的低いため、熱機械的な損傷が起きたり、絶縁体が融けて滴り落ちたりすることもあります。架橋ポリエチレン(PEX)は、熱可塑性というより熱硬化性樹脂の性質を持つことから、非常に高温でも使用でき、機械的にも強く、有機溶媒への耐性が高く、多くの場合厚みを薄くすることが可能です。そしてさまざまな架橋方法が使用されています。
典型的なアプリケーション
過酸化物架橋性ケーブルコンパウンドは、PEX-aとしても知られ、1960年代にその加工法の特許が取得されて以来、ケーブル産業で使用されてきました。ベースポリマー、過酸化物、添加剤をまず、温度130℃未満で強力に混合します。架橋反応は、その後すぐ、加圧した高温CV(連続加硫成形)設備で起こります。比較的複雑な工程になるため、この技術はとりわけ高負荷ケーブル用に使用されます。水トリーを防止する配合とプロセスが開発されたおかげで、過酸化物架橋性XLPEは、中圧および高圧交流ケーブルの絶縁体にますます使用されており、高圧直流ケーブルにおいては優先的に採用される絶縁材料となっています。
都市に電源を供給するケーブルは、地上の電線から地下へとますます置き換わっています。海上の風力発電と送電網をつなぐケーブルや、海底ケーブル全般にも、同じ絶縁材料が非常に多く使用されています。この分野は、使用される量も成長速度も速い世界的なメガトレンドの市場となっていま